病名:貧血症
症状
血液が薄くなるので、いわゆる青白い顔になります。
軽い貧血状態であれば、脱力感、集中力低下、めまい、息ぎれ、動悸のほかに爪の異常など
をみることもあります。他、動悸、息ぎれ、立ちくらみ、耳鳴り、だるい等。
また、急いで階段をかけ登ると立ちくらみをしたり、激しい運動をすると直ぐに息切れ
する事があります。
貧血による鉄不足状態では、身体の末端への酸素供給が追いつかない為に軽い酸欠状態が
起こる為です。
原因
鉄欠乏性貧血:赤血球造血のための材料である鉄分不足が原因。
鉄分不足は、鉄吸収性不良、術後、甲状腺機能低下、
慢性出血による鉄の損失、妊娠、授乳、
発育期に伴う体内鉄要求の増加などによる。
鉄分そのものの食べ方が足りないのも一因。
溶血性貧血 :赤血球が異常で溶けやすくなるなど、赤血球の寿命が短縮したり、
異常のない場合でも、血漿中に赤血球に対する抗体があったりすると、
赤血球が溶血して、それが寿命短縮につながり何れも貧血を招く。
溶血の際に血色素(ヘモグロビン)が血液中に出て、
それからビリルビンが出来るので、黄疸が見られる(溶血性黄疸)
再生不良貧血:血液を造る骨髄の機能が障害を受け、造血が低下して起こる貧血。
巨赤芽球性貧血(悪性貧血):ビタミンB12・葉酸の欠乏が原因で、
巨大な赤血球がヘモグロビンを余分に抱えているのが特徴。
中高年に多い。
*胃の全摘をした方は、
ビタミンB12の吸収が悪くなり、貧血になりやすくなります。
腎性貧血 :腎臓で作られるエリスロポエチン(赤血球生成を促進する刺激因子)
の欠乏による貧血。
改善
貧血は食生活と密接な関係があり、望ましい食生活の実践が必要となる疾患です。
食事療法ポイントは、自分の貧血原因をみつけて除去するのが大事であると同時に、
造血に必要な成分・造血機能を高めていくのに役立つ成分の栄養補給が大事です。
貧血状態改善の為には、適量のエネルギー、良質の蛋白質の補給を基本に、
必要な鉄、葉酸、ビタミンB12などを含む食品の適量摂取が必要です。
食事療法
@ 1日に必要なエネルギーを十分に満たすよう心がけること。
A 治療食は高エネルギー、高蛋白質、高鉄分、高ビタミンCの食事とし、全身の栄養状態
を良好にして、造血と造血機能に関係ある栄養素を補給する鉄材投与も有効であるが、
他の栄養素との関連も考え、鉄吸収の効率を良くするように考える。食事中にカルシウム
が足りないと、カルシウムに結び付けない余剰リンの影響を受けて吸収されにくく
なるので、カルシウムを豊富にとるなども一手です。
B 蛋白質は動物性を多めにとる。大豆・豆製品も鉄分の供給源として有効食品である。
C 鉄はタンニンと結合すると不溶性となるので、コーヒー、紅茶、緑茶などと一緒に
とらないこと。
D 悪性貧血には鉄分を多く含むレバー類が良い。
(牛豚鶏の中では、豚レバーの鉄分量が一番多い)
E 一回の食事で食することが可能な量で、鉄分を多く供給できる食品を選ぶ。
F ビタミン類を多く含有する緑黄色野菜を同時にとる。
造血作用のあるビタミンB1、B6、B12は特に鉄の吸収をよくする。
同じく、鉄の吸収促進の為にビタミンCを豊富に摂取すること。
また、ビタミンEの併用はヘモグロビン生成に効果があることが知られている。
G 吸収率が良く(ヘム鉄)、鉄含有量の多い肉類、レバーの摂取を心がける。
H 鉄はシュウ酸、リン酸、炭酸、タンニン、穀類のフィチン酸、食物繊維などと、
一緒に摂取すると、吸収率が低下するので注意する。
I 腸内環境を調えるように努める。
もしご興味を持って頂けましたら、
当院では、診察時間の間、いつでも栄養指導を行っておりますので、
当院ご診察の上、お気軽に栄養指導をご利用くださいませ。