病名:胃潰瘍・十二指腸潰瘍
原因:
胃液による粘膜の自己消化によって潰瘍が発生。
胃潰瘍は40歳代、十二指腸潰瘍は30歳代に多いようで、比較的男性に多くみられる。
誘因としては、ストレスや過労、暴飲暴食、蛋白質の摂取不足などがあり、
ヘリコバクター・ピロリ菌が存在すると、より進行しやすくなります。
症状:
個人差はかなり大きいのですが、一般的には心窩部
(左右肋骨の間のやや窪んだ部分である「みぞおち」)痛が最も多い。
そのほかの症状として食欲不振、胃部膨満感、悪心、嘔吐、胸焼け、体重減少などがある。
また、合併症としては、出血(吐血、下血)、穿孔、幽門狭搾などがある。
診断:
内視鏡検査(できるだけ早目の受診をお勧めします)
食事療法
【 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 】
出血直後や痛みの強い時は、絶食(水分や内服薬のみ)とし、胃の安静を図ります。
@ エキス分の多い獣鳥肉類のスープなどは、胃液の分泌を促進するので×。
A 香辛料や酸味、塩分、糖分の多すぎるものは胃壁に刺激を与えるので制限。
B ごぼうや竹の子など、繊維の多いものは胃壁に物理的な刺激を与えるので避ける。
できるだけ消化に良いものを。
C 熱すぎる飲み物や、冷たいシャーベット、氷水などは、
胃壁に温熱的刺激を与えるので避ける。
(飲み物は、口の中よりも温かい飲み物を推奨します。*常温は口の中より冷たいです)
D コーヒーや酒類は、胃液の分泌が促進し、創傷面の治癒を遅らせるため避ける。
E 揚げ物のように、消化の悪い脂質を多く含むものは、胃内滞留時間が長いので制限する。
F 鉄吸収の観点から、ビタミンCをはじめとする、ビタミン類・ミネラル類を十分に摂取する。
G 消化に良い食品や調理方法を選ぶ。(一般には、煮る、茹でる、蒸すなどが良い。
エキス分を多く含む食材は、茹でて汁に移し、汁は食さないようにする)
H 食後2〜3時間で胃の痛みを感じる場合が多いが、食物をとることにより胃酸が中和
され胃の粘膜が庇護されて痛みが和らぐので、空腹は避ける方が良い。
しかしながら、就寝前の食事はよくない。
もし食事のお話にご興味を持って頂けましたら、
当院では、診察時間の間、いつでも栄養指導を行っておりますので、
当院ご診察の上、お気軽にご利用くださいませ。