病名:急性胃炎
原因:
胃粘膜の急性の炎症(充血、浮腫、びらん)。原因を除けば一週間位で回復。
最も多い原因は、アルコールの飲みすぎや過食、食中毒などの食事性。
他、下剤など薬剤服用によるもの、ストレスによるもの、インフルエンザなどのウイルス
によって炎症を起こす感染性のもの、重金属塩や塩酸などにより粘膜が腐蝕されるもの等。
症状:
一般的には胃の膨満感や上腹部痛、食欲不振、悪心、嘔吐などであるが、
食中毒による場合は、症状も激しく、発熱や下痢を伴う場合も多い。
診断:
内視鏡では、粘膜の浮腫、付着粘液の増加、出血、びらん(ただれ)、緊張亢進などが判断できる。
改善:
適切な投薬により短期間に改善する。
食事療法
軽症の場合、重症の場合、それぞれ状態に応じて絶食から流動食、分粥食、軟食、常食へ
と進める。
食事基準は下記の表の通り。
急性胃炎の食事基準
|
エネルギー(kcal) |
蛋白質(g) |
脂質(g) |
発病1日目 (2日目) ((2(3)))日目 2((3(4)))日目 3((4(5)))日目以降 |
T:絶食 U:200〜550 V:850〜1100 W:1450〜1,650 X:1825〜1875 |
5〜25 50〜65 55〜85 60〜90 |
0〜10 20〜30 25〜50 40〜50 |
状態に応じて、段階的に考える。
初期は炭水化物を主とし、徐々に蛋白質食品、脂質性食品を加え、栄養価を高める。
T :軽症の場合は1〜2回、重症の場合は1〜2日絶食とし、湯ざましや番茶を少量とする。
U〜V:栄養量より炎症回復を優先した胃の粘膜を庇護する食事。
W :揚げ物や非常に硬い食品は避ける。
X :特に制約は言われないが、
激しく辛い物、激しくしょっぱいもの、激しくすっぱい物は避ける。
バランス良く、規則的に食事をする習慣に体を戻してゆく。